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芹沢家殺人事件』(せりざわけさつじんじけん)は、さいとう・たかをの劇画アクション作品<ゴルゴ13>シリーズの第89話である。ビッグコミック1975年20号から22号に渡って掲載され、単行本第27巻に収録されている。

概要 編集

このエピソードは「日本人・東研作」(第14巻収録)や「おろしや間諜伝説」(第36巻収録)などと同様に、「ゴルゴの知られざる出生・過去」にせまる物語のひとつである。

基本的に、ふたりの登場人物の会話と、彼らの回想によってストーリーは進行する。写真や、「芹沢五郎が理想的な整形手術をほどこされたとすれば、この様な顔になるはず」という予想による再現像を除いて、主人公ゴルゴ13が彼自身としては一コマも登場せず、その名が登場人物のセリフの中に出るのもストーリーの終盤にさしかかってから、というシリーズ中でも異色なエピソードとなっている。

戦後の雰囲気を色濃くたたえた猟奇殺人事件や、人間消失という不可解興味、ゴルゴ13と同一人物かどうかはおいても十二分に謎の人物である芹沢五郎の存在など、推理小説的な筋立ては好評価を得ており、「ルーツもの」のくくりにかかわらず、シリーズの人気投票などで、かならず上位にあげられるエピソードのひとつである。

「ゴルゴ13=芹沢五郎」とする説も、「すべて人民のもの」における「グレゴリ・皇士・東郷・ロマノフ」説や、「蒼狼漂う果て」の「五島貴之」説と並んで、読者の間で高い人気を得ており、特集本「Theゴルゴ学(ISBN 978-4-09-371351-1)」での「ゴルゴの正体として最もふさわしいのか誰か」というアンケートにおいても、1位を獲得している。

あらすじ 編集

かつて警視庁で刑事を務め、現在は防衛庁副長官である後藤のもとに、かつての同僚・安井修記郎が面会を求めてきた。2人は終戦直後の1946年6月に起きた「芹沢家殺人事件」の捜査を担当していた。


一家惨殺と時効成立、そして・・・ 編集

安井と後藤は「人生を変えてしまった」この事件を振り返る。

事件は、家屋内で一家の内父と子供の4人が殺害されていたというもの。無事残ったこの家の子供で当時8歳の芹沢五郎が事件の詳細を知っていると思い尋問するが、五郎は泣いてばかりで説明しようとしない。芹沢家には、他に母親と末っ子のひろ子と使用人の婆やがいたが、母親はこの1週間前に何者かによって殺害され、井戸の中から遺体で発見されており、ひろ子と婆やは連絡が取れずにいた。捜査していく内に、安井は芹沢家の子供達が誰一人として軍に召集されていなかったのを不審に思い、芹沢家について米軍に調査を求めたが全く応じてくれなかった。

その後、捜査本部は事件発生40日後に解散、捜査は安井と後藤の二人だけが担当官となった。五郎は親戚を名乗る佐久間茂造という男に引き取られた。

安井は、母親が殺害された日に起きた政府高官の狙撃未遂事件と何かつながりがあるのでは、と考えるが、後藤に一蹴されてしまう。

その後何の手がかりもないまま15年が過ぎ、公訴時効が成立、事件は迷宮入りした。

その翌日、行方不明になっていたひろ子と婆やから突然面会を求められた。ひろ子は「五郎と二人きりで会わせてもらえば全てを話す」と安井に約束、横浜のホテルで安井らが見張る中で五郎と面会したひろ子だが、部屋から全く出てこない事を不審に思った安井らが部屋に押し入ると、ひろ子の姿は消えており、五郎は「誰も来ていない」と言って部屋を飛び出す。

その後、五郎を引き取っていた佐久間が何者かに狙撃され死亡しているのが見つかる。この時、五郎を追っていた捜査官はわずか5~6分の間だが彼を見失っていた。婆やも田舎に帰る直前、安井たちの目の前で射殺される。彼女は最後に「ぼ、ぼっちゃん・・」と言って息を引き取った。この瞬間も五郎の姿は確認できず、安井は「五郎が事件に関与している」と確信する。

五郎は警察の取り調べを受けるが黙秘を続け、証拠不十分により釈放、その直後海外に出国した。

安井と後藤は直後、警察を辞職。しかし安井は「オレは犬になりきる」とこの事件を追い続け、妻や後藤の説得を聞かずに自らも海外へ飛んだ。

安井の推理・ゴルゴと五郎 編集

話は現在に戻る。

安井は後藤との面会の中で独自の調査により、次の推理を出した。

  • 芹沢家は代々、何かの組織とつながる「暗殺集団」であった。
  • 政府高官を狙撃したのは芹沢家の母親で、それが失敗したことによる責任を取らされ家族に殺害された。
  • 五郎はまだこの時暗殺の手立てを教えられておらず、その一部始終を見ていたが「母親が殺された」ことと「暗殺集団の掟」との間で悩み抜き、その結果一家を殺害した。
  • 五郎を引き取った佐久間は芹沢家に暗殺法を教える教官で、五郎は彼から狙撃などの暗殺法を学んだ。
  • ひろ子は五郎と面会した際、事件について問い詰めた。その後、そのままなら他殺で見える方法で自殺し、五郎に「殺人者」として捕まるか、遺体を処分して「暗殺者」として生きるのかを選択させた。安井自ら肉と骨を買って検証した結果、五郎はひろ子の遺体をバラバラにして水洗トイレに流し処分する事が可能であった。
  • 婆やは「五郎によって殺される」ことを既に覚悟しているようで、実際死に際の顔はそれを悟ったものに感じられた。
  • 安井は海外での調査の中で「裏の世界」を知る内に「ゴルゴ13」というスナイパーの存在を知る。五郎が形成手術を施してあるだろうという憶測の元、西ドイツの形成手術の権威に依頼した五郎の手術後の顔の予想図がゴルゴに酷似していた。

そして、安井は「今日の夜7時にゴルゴに自らを狙撃するように依頼してある」ことも後藤に伝える。

安井の最後 編集

ゴルゴは安井が狙撃を依頼した際、「五郎であるのか?」との問いには答えなかった。そこで安井は「顔の前で杖を振る。五郎であれば顔より左に杖がいった際に、そうでなければ右にいった際に撃ってくれ」と。

そして約束の7時、安井は狙撃され絶命した。杖を貫いた弾丸は安井の額に命中していたが、その杖は顔のちょうど真ん中で止まっていた・・・

関連項目編集

Smallwikipedialogo.png このページの内容は、ウィキペディアから取られています。オリジナルの記事は、芹沢家殺人事件にあります。この記事の著作権者のリストは、ページの履歴を御覧ください。ゴルゴ 13 ウィキと同じく、ウィキペディアのテキストは、GNU Free Documentation Licenseで提供されています。


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